西荻北のブラウン・ハウス
設計:一級建築士事務所あとりえ(担当:とりやまあきこ・大関美奈子・唐木研介)
施工:有限会社隆栄建築
所在:東京都杉並区(2023年1月竣工)
UA値:0.44W/m2K
閑静な住宅街にたつ
チョコレート色のお家です。
1階が親世帯、2階が子世帯となっており、
それぞれが独立した玄関と水回りを持っていつつ、
室内でも扉1枚でつながっている、
ゆるやか二世帯住宅です。
都心ならではの厳しい制限の中で、
二世帯分の床面積を最大限まで確保しつつ
2階部分を道路側からセットバックさせることで
周りに与える圧迫感を押さえています。
そのチャーミングなチョコレート色の外観から、
思わず「ブラウン・ハウス」と名付けました
(実は最近おとなりに真っ白なお家が建ったので、
勝手に「ホワイト・ハウス」と呼んでいます)
家の中に光や景色、庭の緑を取り込みつつ、
通りからの目線や隣地の建物が互いに気にならないよう、
窓の配置計画には特に気を使っています。
南側外観
西側外観
通りに面した西側は、西日対策として、また通りからの目線や車の音が気にならないよう、窓を少なめに配置している。
メインのエントランスアプローチ
お家に一歩はいると、
生活に彩を加える要素がたくさん詰め込まれている。
メインの親世帯用玄関ホール
右手のドアは土間収納を経由してキッチンパントリーに通じている。
1階トイレ
玄関ホールにあるトイレには小さな室内窓があり、土間収納経由で外部の光を感じることができる。
1階親世帯リビング
庭との間にあるタイル土間にはペレットストーブを置き、都心でも火を楽しむ暮らしを実現している。
また、この土間空間が道路と距離が近い都心住宅において緩衝エリアとなっている。
1階親世帯寝室
寝室の隅に設けたデスクスペース
静かにパソコンや書き物をして過ごせる場所。借景の緑が心を癒す。
キッチン
奥に見える洗濯スペースから、玄関の土間側へとアクセスできる回遊性のある間取りとなっている。
子世帯用のもう一つの玄関
子世帯玄関からの階段
子世帯は、親世帯のリビングとドアを介してつながっている。2階が子世帯となる。
2階子世帯のリビング
右手の小上がりが和室、奥が寝室になっている。
2階は勾配天井になっており、一番天井が高いダイニングスペースには、お施主さまが前のご自宅からお持ちになったペンダントライトを取り付けている。
大小たくさんの本がある暮らし方に合わせて、ソファの後ろ壁面に大型の造作本棚をデザインした。
2階のキッチン
お施主さまと一緒に選んだミナペルホネンのタイルがアクセントに。
2階の和室は、客間としても使う想定
襖紙、壁紙も、タイルと合わせて緑を基調にまとめている。
お施主さまがお持ちのアンティーク照明器具と合わせて、和モダンなしつらえに。
鴨居の上には、物が掛けられる木製の室内物干しバーを作りつけた。
2階の書斎とクローゼット
クローゼットまで繋がった、黄色の壁紙で天井を際立たせ、空間の広がりを演出した。
お施主さまがお持ちの北欧系家具の雰囲気に合わせて、壁紙の色や照明器具を選んでいる。
2階のテラス
夏はビニールプールを出せる広さ。バルコニー手すりにモッコウバラの枝を絡めたい、とのご希望に合うよう造作手すりをデザインした。
夕景
2階のボリュームを小さくすることで、周辺に対する圧迫感をおさえている。
all photo by :齋藤さだむ
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