茗溪学園 トレーニング・部室棟

設計監理・デザイン監修:一級建築士事務所あとりえ(担当:とりやまあきこ)
設計補助:Atelier Aww のはらあん
構造設計:楠本玄英構造設計事務所(担当:楠本玄英)
施工:渡辺建工
所在:茗溪学園キャンパス内 茨城県つくば市稲荷前(2022年6月竣工)



この建物は、茨城県つくば市の私立中高一貫校である茗溪学園キャンパス内に初めて完成した木造建築です。
筑波山の峰々をイメージした大屋根は、日本の伝統的な切妻屋根の重なりも表現しています。
一般的に、大屋根はトラスなどの小屋組で支えますが、本建物では楠本玄英構造設計事務所によるオリジナルの構造計画により、
束材・斜材を柱部分に集中して組むことで中間の梁の上部が大きく空いたユニークな空間を実現しました。

また、大型集成材、OSB板、構造用合板をあえて仕上げとして見せることで、
木加工の技術、木のぬくもりや経年変化を体験でき、学術的にも意義のある場所となることを目指しています。

本作品は、林野庁後援「ウッドデザイン賞2022」ハートフル部門 建築・空間分野を受賞しました。
「ウッドデザイン賞 2022 を受賞」プレスリリース(PDF)



本作品は、「いばらきデザインセレクション2022」にて空間建築部門最高賞の「知事選定」を受賞しました。
「いばらきデザインセレクション2022を受賞」プレスリリース(PDF)   



本作品は、「architecturephoto」に掲載いただきました。

「あとりえ・楠本構造設計・Awwによる、茨城・つくば市の「茗溪学園 トレーニング・部室棟」。
教育機関のキャンパス内での計画。海外の来客や留学生も多い学校の特徴を考慮し、日本の代表的工法“木造”でつくる大空間の建築を志向。
校舎と運動場の間という立地も考慮して“視線が抜ける”形態とする」



屋根の重なりは、筑波山の峰々や、切妻屋根が重なる地域の風景をイメージ。


中庭(東)側からの外観。西側のラグビー場まで見通せ、気配が伝わる。


ラグビー場(西)側からの外観。2階テラスからはラグビー場全体を見渡すことができる。試合の撮影などを行う想定。


東から見る1階フリースペース内観。束材・斜材を柱部分に 集中して組むことで中間の梁の上部が大きく空いた空間を実現。


1階フリースペース内観


1階フリースペース内観


ベンチ奥には、学園の卒業生であり、フランスで活動する書道家・川井恵さんの書を配置。
ベンチの上質な無垢材は在校生保護者からの寄贈によるもの



1階大屋根から中庭を見る


2階南側には部室が並ぶ


2階テラス内観


2階テラス内観


夕景


ラグビー場からの夕景

・設計監理/デザイン監修:とりやまあきこ(茗溪学園16回生)一級建築士事務所あとりえ
・構造設計:楠本玄英(茗溪学園16回生)株式会社楠本玄英構造設計事務所
・設計サポート:のはらあん(茗溪学園16回生)Atelier Aww
・外構植栽計画:塙陽一郎(茗溪学園16回生)塙ランドスケープデザイン
・電気設備機器:今澤賢一郎(茗溪学園16回生)日産電業株式会社
・外構植栽工事:川上剛司(茗溪学園17回生)株式会社川上農場
・上棟式でお餅を入れたつづら:高橋諭(茗溪学園16回生)高橋つづら店
・奉献酒:竹村太一朗(茗溪学園16回生)志筑屋
・1Fフリースペースの一部壁紙の書:川井恵(茗溪学園16回生)書道家

「茗溪学園 トレーニング・部室棟」 案内資料(PDF)

all photo by :齋藤さだむ

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